甲斐駒ヶ岳登山(南アルプス)と様子を思い出しながら、当時の山行を振り返ります。
スポンサードリンク
登山に関するグッズなどのご紹介です。
甲斐駒ヶ岳は南アルプス連峰の北端に位置する標高2,967メートルの単独峰で、全国で24番目の標高を誇ります。
スポンサードリンク
甲斐駒ヶ岳は南アルプス連峰の北端に位置するため、奥深い山とは違い、山麓の町からただちに2,500メートルを突き上げた、荘厳な姿を望むことができる。その山頂付近は花崗岩の砂礫で真っ白に覆われており、白銀に輝く大変美しい山でもある。日本百名山の中で著者の深田氏は、次のように述べている。『さっきまで遠かった南アルプスが、今やすぐ車窓の外に迫ってくる。 甲斐駒ヶ岳の金字塔が怪異な岩峰摩利支天を片翼にして、私たちの眼を驚かすのもそのときである。甲斐駒ヶ岳は名峰である。もし日本の十名山を選べと言われたとしても、私はこの山を落とさないだろう。』
甲斐駒ヶ岳を目指すことになった。北岳でおなじみの広河原から専用バスで北沢峠を目指す予定だった。ところが直前に土砂崩れにより、広河原まで入れなくなった、との情報が舞い込み、急遽反対側の長谷村からバスで北沢峠を目指すことになった。出発前日に、現地警察に問い合わせたのが功を奏した。予定は一泊二日。一日目は移動だけで結構時間がかかるので、少し登ったところにある仙水小屋という山小屋で宿泊し、二日目に山頂往復にアタックすることとしていた。したがって登山そのものに関して、一日目については特に書く事はないが、ちょっと嬉しかったことを2つほど。それは長谷村から北沢峠へ向かうバスの中でのこと。運転手さんがガイド役もつとめ、いろいろと見える景色を説明してくれる。絶景ポイントなどで乗客が歓声をあげると、『ああ、写真撮ります?じゃ、ちょっとバスを止めますね。存分に撮ってください。』と、撮影のための時間をとってくれる。村営のバスだが、役所の硬さを感じさせない嬉しいバスだった。もうひとつは、仙水小屋の食事のおいしいこと。とても山小屋の食事とは思えない、とても豪華な食事を用意してくれた。ここの水もたいへん美味しかった。さすが『南アルプスの天然水』として、売り出されるだけのことはある。
山小屋の朝は早い。午前5時に起床し、朝食をいただく。快適に眠れたのもそのはず、一晩中ストーブをチェックして、部屋の温度を調節してくれていたらしい。おかげで目覚めはスッキリ。仙水峠からの逆三角形の日差しが、反対側の小仙丈岳の山肌を照らしている。小屋に別れを告げて、歩き出す。まずはその仙水峠を目指す。勾配はそれぼどなく、約30分程のウォーミングアップに最適な道だった。朝日を受けて眩しく輝く仙水峠が迫ってくる。到着した仙水峠からは、鳳凰山のオベリスクが見えた、遠く金峰山などの奥秩父の山並みが見える。目を上に転じると、岩峰。摩利支天が垂直に突き上げ、ものすごい景色だった。
仙水峠からは、駒津峰への直登が待っている。まず最初の体力消耗ポイントで、標高差約500メートルの1時間半で稼ぐルートとなる。とにかくひたすら直登する。ふと後方を振り返ると、栗沢山の向こうに北岳が見えはじめていた。かつてあるいた北岳の稜線だ。日本百名山の深田氏は、ここから望む北岳の姿がもっとも美しいといい、著書の中ではこのように表現している、『屹と天を突くような鋭い頭角をあげ、颯爽として軽薄でなく、ピラミッドでありながら俗っぽくない。惚れ惚れするくらい高等な美しさである。富士山の大通俗に対して、こちらは哲人的である。』そんな一節を思い出しながら、一歩一歩登り、ようやく駒津峰へ到着した。
駒津峰からは尾根歩きとなり、六方石を経由して山頂アタックとなる。アタックルートは2つあり、急な岩場の直登コースと、迂回するコース。直登は怖いので迂回ルートをとったが、一箇所、2メートルほどのトラバースで、怖い場所があった。また、足元が砂礫で滑りやすい斜面なので、とにかく慎重に歩を進める必要があった。しかしその真っ白な砂礫の美しいこと。やがて山頂が見えてきたが、体力的にもきつくなっていた。休んでは歩くを繰り返し、ようやくたどり着くことができた。